2028年、JARL破綻

JARL NEWS春号にあったH29年度の予算を織り込んでみました.
一家言ある方は,お近くの理事さん・監事さん・社員さんまでどうぞ.


●メイキング・オブ
◎6年間の財産の減
「一般正味財産期末残高」は

・H23(2011)年度末 1,182,111,716円 法人移行の年度
・H27(2015)年度末 946,905,051円

までは実績が出ています.
ここから先は,「予算」の「当期一般正味財産増減額」である

・H28(2016)年度 -79,688,500円
・H29(2017)年度 -54,711,000円

を参照します.
すると,H29(2017)年度末の「一般正味財産期末残高」は

  946,905,051 - 79,688,500 - 54,711,000 = 812,505,551〔円〕

と求められます.
すなわち,

・H23(2011)年度末 1,182,111,716円
・H29(2017)年度末 812,505,551円

です.
その差は

  1,182,111,716 - 812,505,551 = 369,606,165〔円〕

です.これが「6年間で減った財産」です.


◎6年間の日数
一方,日数を考えますと,この間,

・H23(2011)年度末の 2012-03-31 は 第40999日目*
・H29(2017)年度末の 2018-03-31 は 第43190日目*

    *: Excelの日付で,「1900年1月1日」が「第1日目」

です.
この間の日数は

  43190 - 40999 = 2191〔日〕

となります.(「365日×6 + 1日(2016年2月29日)」としても同様です.)


◎1日あたりの財産減
「2191日 で 369,606,165円 がなくなった」のですから,バーンレートは

  369,606,165円 ÷ 2191日 = 168,693〔円/日〕

となります.はい,「17万円/日 で絶賛喪失中」です.


◎削れない財産
JARLの資産はほとんどが流動性のもの,現金チックなものです.
とはいえ崩せないものもありましょうから,以下を除外します.
「H27(2015)年度末」の実績値を参照し,以降「そのまま」とみなします.

・その他固定資産 91,376,597円
・退職給付引当資産 88,282,277円 (固定資産~特定資産 中)
――――――――――――――――
・計 179,658,874円

つまり,「残りの財産が1.8億円を切ったらおしまい」と考えます.

    「負債」もあります(2.2億円)が,本検証ではネグります.
    ほとんどが「前受会費」(2.1億円)であり,会員が泣けばすむだけなので.
    値は,H27(2015)年度末時点のものです.


◎いつ果てる?
上述のとおり,

・H29(2017)年度末に 812,505,551円 の財産
・168,692.9096円/日 で喪失中

なのですから,これがこのまま進んで「179,658,874円を切るのはいつか?
」を求めます.

  (812,505,551 - 179,658,874) ÷ 168,692.9096
  = 3751.471703〔日〕

すなわち「H29(2017)年度末(第43190日目)から3752日後」となりました.

  43190 + 3752 = 46942〔日目〕

です.
これをExcelくんで還元すると,

  2028年7月8日

と求められます.


●寿命が――
◎伸びる場合
・会員増による収入増
・会員減を伴わない,会費値上げ
・支出の削減

◎縮まる場合
・会員減による収入減
・大規模投資(電子QSLなど)


●思考実験
下表は,さらなる思考実験です.
楽観論悲観論
  • まだ10年以上もある
  • 余命10年ない人に,「真剣に考えろ」と言ったところで,改革に身が入るはずがない
  • 我々に必要なリードタイムが「決めるのに5年,トランスフォームに5年」とすれば,もう待ったなし
  • 8オクもあるのはありがたい
  • 積立金依存の「20年以上赤字の団体」じゃ,外部からの信頼は得られん
  • 現会長が最長4期8年「赤字で困ってます,でもサービスのレベルは下げません!」とのたまいつつディラックの海を漂流しても,余裕で耐られる
  • また“つぎの政権”にしわ寄せが行き,再度JA5MGのような後始末役のご登場を強いることになる
  • 積立金(≒利権)を喰い尽くしたほうが,改革が進んでよい:一気にハードランディングだ
  • いや突然死はさすがに...将来どうあれ,ソフトランディングでないと...
  • 「いままでの会員」が積み立てたお金なんだから,「いままでの会員」で使い尽くす権利がある
  • 「相手があってナンボ」のアマチュア無線,若手を迎え入れるために使わないと
  • あと10年楽しめれば,もうそれで十分
    (会員の平均年齢は65歳)
  • いやもうちょっと:
    平均寿命…男性80.79歳,女性86.83歳
  • サイクル25が終わるまで持ち堪えればそれでよい:サイクル25の内に“上がる”ぞ!
  • サイクル25はSSN伸びないって
  • 総務省とIARUにあてて,「日本のアマチュア無線を代表する団体はJARDになりました」と言えばすむだけでしょ?なんか困るの?
  • いやいや,「支部」の活動とか困るし
  • ビューローも,「なくなった」なら「なくなった」なりに,皆eQSL.ccに移行する
  • もはやLoTWとOQRSだけで十分事足りてますが,なにか?
  • コンテストで勝負するだけなんで,カードなんて不要
  • ドローンから映像が送れればそれで十分なんですけど,その か~ど ってなんすか?
  • このブロックチェーンのご時世に,「カード交換」とか「センターで交信照合」とか,10年もすればなくなってんじゃねぇの?
  • 紙のカードが一番,その転送に困る
  • H28年度は,理事会報告によると,予算よりも改善したようよ
  • そもそもその予算が絶対額¥80Mの赤字と,膨大だったし
  • H29年度は赤字が改善する
  • いや,“とらたぬ”の入会金・会費とか(1M+6M);
    コールブックの発刊年だったりとか(15M-7M);
    退職給付が減ったりとか(5M),
    自助努力とは言えない部分が多いよね【下図】.
  • もともとは「H26年度にプライマリーバランスを取る」って言ってなかった?



●“とらたぬ”模様 【4/8 追記】


●コールブックによる寄与 【4/9 追記】


●変動要因の解析
以下は変動要因の解析です.上図の元データです.詳細が必要な方はご堪能ください.
【4/8 2年分遡って追記】
 H24実績

H25実績
H25実績

H26実績
H26実績

H27実績
H27実績

H28予算
H28予算

H29予算
●収益 「+」が増,「-」が減
特定資産受取利息-803,032-354,579495,540-1,446,216500,000
      
正員受取入会金860,000-1,233,000389,000942,000500,000
准員受取入会金-23,0008,00026,000-21,0000
      
正員受取会費-30,719,55032,677,134-11,106,89419,113,3603,060,000
家族会員受取会費  -363,300190,500180,000
准員受取会費8,420,500-781,562-1,172,38255,1442,160,000
賛助会員受取会費-180,000-200,000640,000760,0001,000,000
      
賞典収益-551,287656,2981,696,891-1,252,4230
刊行物収益10,546,633-17,214,76916,080,362-16,561,75214,500,000
監修収益  53,700-90,0000
印税収益33,42030,330-66,150-14,3600
広告収益1,150,300-27,2001,653,600-3,282,8000
      
雑収益  5,043,024-8,659,5870
受取利息-18,477-28,992-34,47221,1940
収益計-13,950,32325,395,32513,334,919-10,245,94021,900,000
●費用 「+」が悪化,「-」が改善
総会費-847,147-138,35991,957139,341203,000
理事会費-165,841105,476-86,072409,166342,000
連絡会費268,573-84,58224,663249,3570
地方本部費-745,478145,600-562,5941,912,78980,000
役員報酬09,194,089-194,08900
諸給与-5,346,0731,413,4371,281,6891,216,132-150,000
賞与引当金繰入額361,8001,068,50063,300280,8000
役員退職慰労金03,320,000-3,320,00000
退職給付費用6,655,900-4,667,300919,5003,000,000-4,904,500
事務消耗品費9,594,337-9,699,057229,587943,669-655,000
事務印刷費-30,8816,229-377,557757,272-696,000
通信費-287,298-1,602,725-404,5581,183,584-500,000
旅費交通費496,333-441,919485,825570,3820
福利厚生費-388,2441,273,3412,016,2101,255,152-500,000
図書費-33,45335,690-29,085102,2270
渉外費-9,00429,195109,89250,8690
賃借料-1,087,424-6,379,995879,808-212,323470,000
光熱水道料74,235-295,609491-75,0990
修繕費5,470,067-5,521,367-19,9001,000,000-1,000,000
租税公課852,2495,952,3811,984,194-1,394,8501,400,000
雑費7,909,192-1,326,219-4,130,118-373,439500,000
J・ニュース費-1,507,196-7,619,948-1,857,6733,400,278-1,000,000
QSL費-677,790-1,675,68017,523,0682,154,057-2,680,000
広告活動費-4,443,659-5,059,48914,475,290-6,804,7833,798,000
ARDF費554,650169,574388,585-806,965245,000
賞典費-1,256,492-565,663285,753413,646-264,000
諸委員会費285,22181,322166,903863,692-180,000
クラブ費125,010-66,195-62,605429,21917,000
監視監査費17,105-17,1055,556624,444-400,000
刊行物費5,403,421-10,095,65410,019,586-10,154,4857,000,000
機械化事務費-7,999,684-3,094,081-534,966-902,3090
会員事務費6,300,806-7,439,394291,4791,777,386-925,000
選挙費-1,553,7564,216,297-4,217,9041,623,994-1,635,000
設備機器-1,837,681902,027-21,5401,280,82050,000
国際協力費666,1761,291,199-776,903-200,897547,000
衛星・研究開発費-56,36732,717-188,3291,735,529-1,000,000
減価償却費625,0593,003,914-1,099,9801,046,571-990,000
ソフトウェア償却870,20013,023,867-245,999244,599-250,000
貸倒引当金繰入額0013,219-13,2190
費用計18,256,866-20,525,48633,126,6837,726,606-3,077,500
●前年度比改善額 「+」が改善,「-」が悪化
 -32,207,18945,920,811-19,791,764-17,972,54624,977,500

この記事へのコメント

JA9QHP
2017年04月09日 17:05
スプ○○スロンダリングみたいな特需があればいいわけですね。

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