R2年度のJARL決算を読んでみよう
社員総会の議案書,届きました.
●「今R3年度の予算」と「前R2年度の実績」との比較
大きな変動は以下のあたりです:
(1) 正員受取会費
+1,591万円,おいおい【後述】
(2) 刊行物収益
+1,005万円,隔年の局名録特需【後述】
(3) 雑収益
+3,351万円,ハムフェアの出展料と入場料が支配項だったと思いました.COVID-19影響前の一昨年比では,おなじくらい(+97万円)
●「R1年度の実績」と「R2年度の実績」との比較
「会員増えました!」の訴求にも拘わらず,「入会金+会費」は減っているナゾ....
・R1年度 … 306,730,524円
・R2年度 … 293,642,022円
...▲1,309万円.
●「今R3年度の予算」と「前R2年度の実績」との比較
おおきなところでは...
(1) 地方本部費
▲1,332万円,COVID-19後の活動再開.
一昨年比でみると▲128万円(地方本部視点では手厚くなっている).
「予算を決めた後」になって「見直したい」と“出し渋り”があって,揉めていた件.
https://jarl2020.wordpress.com/2021/05/31/directorsmtg202105/
の,『地方本部費の振り込み保留』章.
「イベントの中止で繰越金で潤ってるんだからさぁ」とのご主張.
たしかに,「地方本部の繰越金(溜め込み)って,どうよ」という議論が,かつて社員総会で2回あったとおもいます.
ただ,「余ったら回収」とか言い始めると,予算の使い切りのための余計な支出を誘発する危険性アリ.
余談ですが,関東はそれまでの繰越金を全部使い切って,翌期分から9万円先食いして,揉めたことがありました(“私的流用”とかではないです).
(2) 諸給与
▲ 411万円,増員?
(3) 退職給付金
▲433万円,ご退職?
(4) 旅費交通費
▲150万円,COVID-19明け?
ただしR1年度実績(762万円)費でみますと,162万円の減(改善),いいねぇ.
250万円/年の“豪華旅行”はどうかご遠慮を.
(5) QSL費
▲108万円,転送増対応?(電子QSLはどうなった?)
(6) 広報活動費
▲3,813万円,ハムフェア?
一昨年度比では598万円の減(改善)
(7) 賞典費
▲ 108万円,オリンピック関連アワード?1万局賞対応?
(8) 諸委員会費
▲ 163万円,リモート開催の継続でもっと落とせるのでは?だめ?
(9) 刊行物費
▲625万円,局名録にかかるコスト【後述】
(10) 選挙費
+328万円,「年度」でみると,選挙(投票本番)のない年.
●「R1年度の実績」と「R2年度の実績」との比較
(11) 雑費
▲268万円:
160万円飲み歩きました(R1年度)*・250万円豪華旅行をしました(R1年度)†
~社員総会が荒れました
~乗り切るために追加で弁護士を雇いました(約 268万円,R2年度).
→自分勝手もええ加減にせぇ.
*: 含 理事理事接待
†: 含 連盟の経費での,自陣営の選挙の打合せのための出張
――というヨミです.
・2021年度末 565,822,554円見込み
ピーク時の82%を失いつつあります.
それでもご歴々はお焦りにならない不思議.
2020年度は ▲39,502,578円 で締まりました.


ツッコミをいただきましたので,「たしかにキャッシュとしてはこの外枠で2.4億円ありますね」と付記しました.

会費前納会員による積立は,とっくに食い潰しました.それが費目上あらわれていたのは,2012年度まで.

かりに「会費前納会員(終身会員)が7,200円の年会費を収めた」とすると1.7億円.
「それを超えた額」を取り崩すってどうよ?――と,議論になりました(1996・1998年;2,4000名@2014年).
絶対額はもとより,予算と実績の乖離が「なってない」と社員総会で十字砲火を喰らっている件.
・2020年度
うまく収まりました.
COVID-19でイベントができなかったから?
なお当初予算値で示しています(補正予算値ですと-5,369万円).
・2021年度
「正員受取会費 1,591万円増」が前提です.
リスキーじゃないかなぁ...

ここに“積む”という.
「入会金+会費」で合わせてみますと,昨R2年度比で1,609万円増での予算化です.
なお2020年度は当初予算値です(補正予算値では301,109,600円).

なかでも正員増に期待がかかっているようです.
昨R2年度比で,入会金で見て816名増,年会費で見て2,209名増での予算化です(順に1,000円/名,7,200円/名として).
「ラッキーな年は――隔年で――赤字が自動的に¥4M減る」ことを覚えておきましょう.
10年平均で422万円です.
(刊行物の,収益-費用: 発刊年…975万円, 非発刊年…553万円).

経常収益
最右欄は,「R2実績」にくらべて「R3予算」が減っていたら「▲」(収入減).R1実績 | R2実績 | R3予算 | R3予算 -R2実績 | ||
①特定資産運用益 | |||||
特定資産受取利息 | 3,060,575 | 2,950,939 | 3,000,000 | 49,061 | |
②受取入会金 | |||||
正員受取入会金 | 2,478,000 | 2,684,000 | 3,500,000 | 816,000 | |
准員受取入会金 | 188,000 | 17,000 | 160,000 | 143,000 | |
③受取会費 | |||||
正員受取会費 | 288,718,578 | 275,332,006 | 291,240,000 | 15,907,994 | |
家族会員受取会費 | 5,001,200 | 4,626,300 | 4,680,000 | 53,700 | |
准員受取会費 | 6,124,746 | 6,602,716 | 5,760,000 | ▲ 842,716 | |
賛助会員受取会費 | 4,220,000 | 4,380,000 | 4,400,000 | 20,000 | |
④事業収益 | |||||
賞典収益 | 1,665,155 | 1,777,047 | 2,211,000 | 433,953 | |
刊行物収益 | 24,414,738 | 13,946,479 | 24,000,000 | 10,053,521 | |
監修収益 | 360,000 | 360,000 | 360,000 | 0 | |
印税収益 | 145,721 | 103,010 | 100,000 | ▲ 3,010 | |
広告収益 | 12,552,255 | 9,398,400 | 11,500,000 | 2,101,600 | |
⑤雑収益 | |||||
雑収益 | 47,988,594 | 15,443,974 | 48,957,950 | 33,513,976 | |
受取利息 | 312 | 278 | 1,000 | 722 |
●「今R3年度の予算」と「前R2年度の実績」との比較
大きな変動は以下のあたりです:
(1) 正員受取会費
+1,591万円,おいおい【後述】
(2) 刊行物収益
+1,005万円,隔年の局名録特需【後述】
(3) 雑収益
+3,351万円,ハムフェアの出展料と入場料が支配項だったと思いました.COVID-19影響前の一昨年比では,おなじくらい(+97万円)
●「R1年度の実績」と「R2年度の実績」との比較
「会員増えました!」の訴求にも拘わらず,「入会金+会費」は減っているナゾ....
・R1年度 … 306,730,524円
・R2年度 … 293,642,022円
...▲1,309万円.
経常費用
最右欄は,「R2実績」にくらべて「R3予算」が増えていたら「▲」.コスト増(悪化)なので.R1実績 | R2実績 | R3予算 | R2実績 -R3予算 | ||
総会費 | 3,625,829 | 3,444,022 | 3,300,000 | 144,022 | |
理事会費 | 2,274,271 | 993,448 | 1,007,000 | ▲ 13,552 | |
評議委員会費 | |||||
連絡会費 | 220,407 | 30,837 | 350,000 | ▲ 319,163 | |
地方本部費 | 19,850,517 | 7,803,817 | 21,130,000 | ▲ 13,326,183 | |
役員報酬 | 9,000,000 | 9,000,000 | 9,000,000 | 0 | |
諸給与 | 94,381,067 | 91,484,347 | 95,600,000 | ▲ 4,115,653 | |
賞与引当金繰入額 | 5,871,600 | 4,967,000 | 5,750,000 | ▲ 783,000 | |
役員退職慰労金 | 0 | ||||
退職給付費用 | 9,444,100 | 5,072,400 | 9,400,000 | ▲ 4,327,600 | |
事務消耗品費 | 1,184,821 | 3,226,670 | 1,460,000 | 1,766,670 | |
事務印刷費 | 585,854 | 546,710 | 730,000 | ▲ 183,290 | |
通信費 | 1,848,667 | 2,059,421 | 1,950,000 | 109,421 | |
旅費交通費 | 7,618,512 | 4,490,553 | 6,000,000 | ▲ 1,509,447 | |
福利厚生費 | 17,255,512 | 17,439,092 | 17,450,000 | ▲ 10,908 | |
図書費 | 230,514 | 196,258 | 200,000 | ▲ 3,742 | |
渉外費 | 809,312 | 275,800 | 300,000 | ▲ 24,200 | |
賃借料 | 16,234,635 | 15,509,267 | 15,950,000 | ▲ 440,733 | |
光熱水道料 | 1,076,325 | 1,120,203 | 1,190,000 | ▲ 69,797 | |
修繕費 | |||||
租税公課 | 19,872,524 | 20,341,361 | 20,730,000 | ▲ 388,639 | |
雑費 | 4,765,382 | 7,444,294 | 5,500,000 | 1,944,294 | |
J・ニュース費 | 37,772,668 | 35,786,069 | 34,400,000 | 1,386,069 | |
QSL費 | 75,685,755 | 74,887,548 | 75,970,000 | ▲ 1,082,452 | |
広告活動費 | 55,284,124 | 11,170,258 | 49,301,000 | ▲ 38,130,742 | |
ARDF費 | 367,885 | 52,633 | 1,040,000 | ▲ 987,367 | |
賞典費 | 1,119,979 | 470,768 | 1,553,900 | ▲ 1,083,132 | |
諸委員会費 | 1,589,713 | 364,839 | 2,000,000 | ▲ 1,635,161 | |
クラブ費 | 11,482 | 11,455 | 100,000 | ▲ 88,545 | |
監視監査費 | 406,923 | 351,360 | 440,000 | ▲ 88,640 | |
刊行物費 | 13,684,884 | 7,752,782 | 14,000,000 | ▲ 6,247,218 | |
機械化事務費 | 12,807,163 | 12,987,412 | 13,100,000 | ▲ 112,588 | |
会員事務費 | 14,532,611 | 14,610,195 | 14,500,000 | 110,195 | |
選挙費 | 4,170,441 | 7,466,115 | 4,184,000 | 3,282,115 | |
設備機器 | 2,808,491 | 4,141,604 | 4,277,550 | ▲ 135,946 | |
国際協力費 | 4,218,513 | 1,866,637 | 2,704,000 | ▲ 837,363 | |
衛星・研究開発費 | 81,203 | 78,000 | 300,000 | ▲ 222,000 | |
減価償却費 | 1,243,094 | 1,105,972 | 1,152,139 | ▲ 46,167 | |
ソフトウェア償却 | 6,106,000 | 6,572,083 | 6,572,083 | 0 |
●「今R3年度の予算」と「前R2年度の実績」との比較
おおきなところでは...
(1) 地方本部費
▲1,332万円,COVID-19後の活動再開.
一昨年比でみると▲128万円(地方本部視点では手厚くなっている).
「予算を決めた後」になって「見直したい」と“出し渋り”があって,揉めていた件.
https://jarl2020.wordpress.com/2021/05/31/directorsmtg202105/
の,『地方本部費の振り込み保留』章.
「イベントの中止で繰越金で潤ってるんだからさぁ」とのご主張.
たしかに,「地方本部の繰越金(溜め込み)って,どうよ」という議論が,かつて社員総会で2回あったとおもいます.
ただ,「余ったら回収」とか言い始めると,予算の使い切りのための余計な支出を誘発する危険性アリ.
余談ですが,関東はそれまでの繰越金を全部使い切って,翌期分から9万円先食いして,揉めたことがありました(“私的流用”とかではないです).
(2) 諸給与
▲ 411万円,増員?
(3) 退職給付金
▲433万円,ご退職?
(4) 旅費交通費
▲150万円,COVID-19明け?
ただしR1年度実績(762万円)費でみますと,162万円の減(改善),いいねぇ.
250万円/年の“豪華旅行”はどうかご遠慮を.
(5) QSL費
▲108万円,転送増対応?(電子QSLはどうなった?)
(6) 広報活動費
▲3,813万円,ハムフェア?
一昨年度比では598万円の減(改善)
(7) 賞典費
▲ 108万円,オリンピック関連アワード?1万局賞対応?
(8) 諸委員会費
▲ 163万円,リモート開催の継続でもっと落とせるのでは?だめ?
(9) 刊行物費
▲625万円,局名録にかかるコスト【後述】
(10) 選挙費
+328万円,「年度」でみると,選挙(投票本番)のない年.
●「R1年度の実績」と「R2年度の実績」との比較
(11) 雑費
▲268万円:
160万円飲み歩きました(R1年度)*・250万円豪華旅行をしました(R1年度)†
~社員総会が荒れました
~乗り切るために追加で弁護士を雇いました(約 268万円,R2年度).
→自分勝手もええ加減にせぇ.
*: 含 理事理事接待
†: 含 連盟の経費での,自陣営の選挙の打合せのための出張
――というヨミです.
財産推移――長期
・1994年度末 3,223,952,655円・2021年度末 565,822,554円見込み
ピーク時の82%を失いつつあります.
それでもご歴々はお焦りにならない不思議.
2020年度は ▲39,502,578円 で締まりました.

財産推移――法人移行後
半分,消えました.
ツッコミをいただきましたので,「たしかにキャッシュとしてはこの外枠で2.4億円ありますね」と付記しました.
特定資産の推移
もともとは別の目的のためだった蓄えを取り崩して生きています.
会費前納会員による積立は,とっくに食い潰しました.それが費目上あらわれていたのは,2012年度まで.

かりに「会費前納会員(終身会員)が7,200円の年会費を収めた」とすると1.7億円.
「それを超えた額」を取り崩すってどうよ?――と,議論になりました(1996・1998年;2,4000名@2014年).
予実管理
赤字額について.絶対額はもとより,予算と実績の乖離が「なってない」と社員総会で十字砲火を喰らっている件.
・2020年度
うまく収まりました.
COVID-19でイベントができなかったから?
なお当初予算値で示しています(補正予算値ですと-5,369万円).
・2021年度
「正員受取会費 1,591万円増」が前提です.
リスキーじゃないかなぁ...

会員(正員)増への期待
昔の悪い癖が また 出てきましたかね?ここに“積む”という.
「入会金+会費」で合わせてみますと,昨R2年度比で1,609万円増での予算化です.
なお2020年度は当初予算値です(補正予算値では301,109,600円).

なかでも正員増に期待がかかっているようです.
昨R2年度比で,入会金で見て816名増,年会費で見て2,209名増での予算化です(順に1,000円/名,7,200円/名として).
R2実績 | R3予算 | 差 | 相当数 | |||
---|---|---|---|---|---|---|
計 | 293,642,022 | 309,740,000 | 16,097,978 | |||
受取入会金 | 2,701,000 | 3,660,000 | 959,000 | |||
正員受取入会金 | 2,684,000 | 3,500,000 | 816,000 | 816名 | ||
準員受取入会金 | 17,000 | 160,000 | 143,000 | 143名 | ||
受取会費 | 290,941,022 | 306,080,000 | 15,138,978 | |||
正員受取会費 | 275,332,006 | 291,240,000 | 15,907,994 | 2,209名 | ||
家族会員受取会費 | 4,626,300 | 4,680,000 | 53,700 | 15名 | ||
准員受取会費 | 6,602,716 | 5,760,000 | ▲ 842,716 | ▲117名 | ||
賛助会員受取会費 | 4,380,000 | 4,400,000 | 20,000 | 2口 |
局名録特需
ひらたくいうと,“出せば儲かる”状態です.2021年度は予算値です.「ラッキーな年は――隔年で――赤字が自動的に¥4M減る」ことを覚えておきましょう.
10年平均で422万円です.
(刊行物の,収益-費用: 発刊年…975万円, 非発刊年…553万円).

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会員数が増加したのは会費無料の会員のおかげ? それとも、3年分まとめて払うと1か月分の会費を割り引く制度のせい?