WRC-23速報:1200MHz帯の新制約
WRC-23の前のRA-23で,おおむね決したようです.

【11/25 追記】IARUによるまとめ資料:『ITU-R M.2164』
https://www.iaru-r1.org/wp-content/uploads/2023/11/ITU-R-M.2164-Summaryr1.pdf
1枚だけ抜粋(拡大版はオリジナルの資料をご参照ください):

https://rsgb.org/main/
https://rsgb.org/main/blog/category/news/special-focus/wrc-23/
すると...上述のとおり,WRC-23の前のRA-23で,ほぼ目鼻が付いていました.
二つの会合の開催地はともにA6国ドバイで,開催期間は――
・11/13(月)~17(金) RA-23 2023年 無線通信総会
・11/20(月)~12/15(金) WRC-23 2023年 世界無線通信会議
――となっています.
RA: Radiocommunication Assembly
WRC: World Radiocommunication Conference
なお「RAが終わった」件については,総務省からも発表されています(会合の中身につては紹介がありません):
『国際電気通信連合(ITU)無線通信総会(RA-23)の結果』
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin04_02000148.html
『Day-1: WRC-23 Begins & 23cm Progress』
https://rsgb.org/main/blog/front-page-news/2023/11/20/day-1-wrc-23-begins-23cm-progress/
によりますと,勧告M.2164として,アマチュア関連の制約がまとめられるよう.
かくいう「RSGBのレポート」は「IARUのレポート」を参照していましたので,IARUのWebに飛んでみました:
『Development of an ITU‑R Recommendation on 23cm amateur band and RNSS operations concludes at ITU‑R Radio Assembly』
https://www.iaru.org/development-of-an-itu-r-recommendation-on-23cm-amateur-band-and-rnss-operations-concludes-at-itu-r-radio-assembly/
ここに,RA-23の報告へのリンク――「here」というところ――があります.
飛びます:
『Summary Meeting Report
ITU-R Radio Assembly (ITU-R RA): 13th – 17th November 2023 (Dubai) 』
https://www.iaru.org/wp-content/uploads/2023/11/Report-from-ITU-RA_Nov-2023.pdf
武勇伝を一気に割愛しますと,
1200MHz帯の制約についてのアウトプット――勧告M.2164のドラフト――ができあがったようです:
『Revision 2 to Document RA23/PLEN/74-E』へのリンクがありInternet availableですので,読んでみましょう.
たどりついたこれがご本尊です:
『Guidance on technical and operational measures for the use of the frequency band 1 240-1 300 MHz by the amateur and amateur-satellite service in order to protect the radionavigation-satellite service (space-to-Earth) 』
https://www.iaru.org/wp-content/uploads/2023/11/R23-RA23-C-0074R2MSW-E.pdf
...が肝心なのは,その「本文」よりも,むしろ末尾にある「付属書(ANNEX)」ですので,そこだけ和訳してみました.
冒頭で絵解きしたものです.
・RNSS: Regional Navigation Satellite System,ようは『みちびき』.
・「b) と c) の認識を考慮して、」の b) c) は,(本勧告案の付属書(付録)ではなく)本文にあり,以下を指します:
【11/25 追記】勧告『M.2164』としてファイナライズされました:
https://www.iaru-r1.org/wp-content/uploads/2023/11/R-REC-M.2164-0-202311-IPDF-E.pdf
「エラー!ブックマークが定義されていません。」としていた,各「脚注」への飛び元を修正しました.
ITU-R M.2513-0:
『Studies regarding the protection of the primary radionavigation-satellite service (space-to-Earth) by the secondary amateur and amateur-satellite services in the frequency band 1 240-1 300 MHz』
https://www.itu.int/pub/R-REP-M.2513
https://www.itu.int/dms_pub/itu-r/opb/rep/R-REP-M.2513-2022-PDF-E.pdf
cf. M.2513-0から,かちあい具合(拡大版はオリジナルの資料をご参照ください):

・それ以外 … EIRP
cf.
L2帯の帯域幅
『衛星測位サービス』
https://qzss.go.jp/technical/system/pnt.html
L6帯の帯域幅
『情報通信審議会が「実用準天頂衛星システムの技術的条件」を一部答申』
https://qzss.go.jp/info/archive/soumu_160707.html
“ブロックI・II”
『米国が第3世代GPS衛星の打ち上げに成功』
https://qzss.go.jp/info/archive/gps_190212.html
GPS衛星の世代名:
・ブロックI … 1978~85年に打ち上げ
・ブロックII … 1989年から
即興絵解き

【11/25 追記】IARUによるまとめ資料:『ITU-R M.2164』
https://www.iaru-r1.org/wp-content/uploads/2023/11/ITU-R-M.2164-Summaryr1.pdf
1枚だけ抜粋(拡大版はオリジナルの資料をご参照ください):

はじめに
経験的に,WRCの情報はRSGBが一番早いので,ワッチを開始しました:https://rsgb.org/main/
https://rsgb.org/main/blog/category/news/special-focus/wrc-23/
すると...上述のとおり,WRC-23の前のRA-23で,ほぼ目鼻が付いていました.
二つの会合の開催地はともにA6国ドバイで,開催期間は――
・11/13(月)~17(金) RA-23 2023年 無線通信総会
・11/20(月)~12/15(金) WRC-23 2023年 世界無線通信会議
――となっています.
RA: Radiocommunication Assembly
WRC: World Radiocommunication Conference
なお「RAが終わった」件については,総務省からも発表されています(会合の中身につては紹介がありません):
『国際電気通信連合(ITU)無線通信総会(RA-23)の結果』
https://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01tsushin04_02000148.html
ドキュメントのありか
RSGBの記事:『Day-1: WRC-23 Begins & 23cm Progress』
https://rsgb.org/main/blog/front-page-news/2023/11/20/day-1-wrc-23-begins-23cm-progress/
によりますと,勧告M.2164として,アマチュア関連の制約がまとめられるよう.
かくいう「RSGBのレポート」は「IARUのレポート」を参照していましたので,IARUのWebに飛んでみました:
『Development of an ITU‑R Recommendation on 23cm amateur band and RNSS operations concludes at ITU‑R Radio Assembly』
https://www.iaru.org/development-of-an-itu-r-recommendation-on-23cm-amateur-band-and-rnss-operations-concludes-at-itu-r-radio-assembly/
ここに,RA-23の報告へのリンク――「here」というところ――があります.
飛びます:
『Summary Meeting Report
ITU-R Radio Assembly (ITU-R RA): 13th – 17th November 2023 (Dubai) 』
https://www.iaru.org/wp-content/uploads/2023/11/Report-from-ITU-RA_Nov-2023.pdf
武勇伝を一気に割愛しますと,
1200MHz帯の制約についてのアウトプット――勧告M.2164のドラフト――ができあがったようです:
Revision 2 to Document RA23/PLEN/74-E : This is the final Recommendation adopted by the meeting. Some editorial work by the ITU-R Bureau will be carried out before publication as ITU-R M.2164.
『Revision 2 to Document RA23/PLEN/74-E』へのリンクがありInternet availableですので,読んでみましょう.
たどりついたこれがご本尊です:
『Guidance on technical and operational measures for the use of the frequency band 1 240-1 300 MHz by the amateur and amateur-satellite service in order to protect the radionavigation-satellite service (space-to-Earth) 』
https://www.iaru.org/wp-content/uploads/2023/11/R23-RA23-C-0074R2MSW-E.pdf
...が肝心なのは,その「本文」よりも,むしろ末尾にある「付属書(ANNEX)」ですので,そこだけ和訳してみました.
冒頭で絵解きしたものです.
核心部分の和訳
以下,・RNSS: Regional Navigation Satellite System,ようは『みちびき』.
・「b) と c) の認識を考慮して、」の b) c) は,(本勧告案の付属書(付録)ではなく)本文にあり,以下を指します:
b) 周波数帯1240~1300MHzはアマチュア業務にも二次的基礎で分配されていること;
c) アマチュア衛星業務(地球から宇宙)は、RR No. 5.282の規定に基づいて、周波数帯1260~1270MHzで運用されるであろうこと;
【11/25 追記】勧告『M.2164』としてファイナライズされました:
https://www.iaru-r1.org/wp-content/uploads/2023/11/R-REC-M.2164-0-202311-IPDF-E.pdf
「エラー!ブックマークが定義されていません。」としていた,各「脚注」への飛び元を修正しました.
附属書 無線航行衛星業務(宇宙から地球へ)を保護するための、アマチュアおよびアマチュア衛星業務による周波数帯1240~1300MHzの使用に関する、技術的および運用上の措置に関するガイダンス b) と c) の認識を考慮して、この附属書は、RNSSを保護するために、周波数帯域1240~1300MHzの全部または一部におけるアマチュアおよびアマチュア衛星業務の運用を、自国の領土全体で許可または継続したいと考えている主管庁による指針として使用される、技術的および運用上の措置を提供する;RNSSを保護するための他の措置が、各国の状況に応じて主管庁によって実施される可能性があることを認識した上で。 ---------- 1) アマチュア業務における狭帯域(帯域幅 ≤ 150kHz)アプリケーションの場合: a) 1240~1255.76MHz: e.i.r.p.2の最大値: −90° ≤ θ <0° の場合 −39.0 dBW in (150 kHz) 0° ≤ θ <5° の場合 −39.0 dBW in (150 kHz) 5° ≤ θ <25° の場合 −39.0 − 1.05(θ − 5) dBW in (150 kHz) 25° ≤ θ <90° の場合 −60 dBW in (150 kHz) ここで、 θ=アマチュア局のアンテナの仰角 b) 1255.76~1256.52MHz:e.i.r.p.2の最大値 = 24 dBW、 • 1255.76MHz未満の帯域外輻射は、上項1a)に定義されたとおりでなければならない。 c) 1256.52~1258MHz:e.i.r.p.2の最大値 = 21 dBW d) 1258~1296MHz:e.i.r.p.2の最大値 = −17 dBW e) 1296~1298MHz:最大送信電力3 = 17 dBW f) 1298~1300MHz:最大送信電力3 = 22 dBW • 水平から少なくとも 15 度上を向く対称型高性能アンテナ(例: ボアサイト ゲインが少なくとも 30 dBi)を使用する、アマチュア 業務における狭帯域の地球-月-地球アプリケーションの場合: a) 1298~1300MHz:最大送信電力3 = 27 dBW ---------- 2) アマチュア衛星業務(地球から宇宙)で動作する狭帯域アプリケーションの場合(帯域幅 ≤ 150kHz): a) 1260~1262MHz: e.i.r.p.2の最大値 = 0° ≤ θ < 15° の場合 -3 dBW 15° ≤ θ < 55° の場合 17 dBW 55° ≤ θ < 90° の場合 26.8 dBW ここで、 θ=アマチュア局のアンテナの仰角 b) 1262~1270MHz:e.i.r.p.2の最大値 = -17 dBW ---------- 3) アマチュアテレビ(ATV)を含む,広帯域(帯域幅 > 150 kHz)のアマチュア業務のアプリケーションの場合: a) 1240~1255.76MHz: e.i.r.p.2の最大値: −90° ≤ θ < 0°の場合 −39.0 dBW in (150 kHz) 0° ≤ θ < 5°の場合 −39.0 dBW in (150 kHz) 5° ≤ θ < 25°の場合 −39.0 − 1.05 (θ – 5) dBW in (150 kHz) 25° ≤ θ < 90°の場合 −60 dBW in (150 kHz) ここで、 θ=アマチュア局のアンテナの仰角 b) 1255.76~1256.52MHz:e.i.r.p.2の最大値 = 24 dBW/150kHz。 • 1255.76MHz未満の帯域外輻射は、前項3a)に定義されたとおりでなければならない。 c) 1256.52~1258MHz:e.i.r.p.2の最大値 = 21 dBW/150kHz。 d) 1258~1300MHz:e.i.r.p.2の最大値 = −17 dBW/1MHz。 ---------------- 4) アマチュアおよびアマチュア衛星局のアンテナが、レポートITU-R M.2513-0 に含まれる代表値(代表的なアンテナの地上高は25m)と比較してはるかに高いアンテナ高に設置される場合、とくにレピータや伝播ビーコンなど「恒久設備」と呼ばれるアマチュア局のカテゴリーの場合、上項 1) ~ 3) に掲げた事項に加えて、さらなる制約または制限について主管庁による検討が必要となる場合がある。 ---------------- 5)上項 2) に加え、アマチュア衛星による周波数帯1260~1270MHzの現在の使用状態が増加する場合、主管庁は、関連するアマチュア衛星の運用のデューティサイクルに制限を適用することを検討する可能性がある。 ---------------- 6) 周波数範囲 1240~1256MHz: • 主管庁は、上述の周波数範囲で航空RNSS受信機を使用している近隣諸国の国境地帯に近い空港付近でのアマチュア送信を考慮して、二国間または多国間協定を検討すべきである。 • 主管庁は、上述の周波数範囲内で航空RNSS受信機を使用している国の空港および空港に近い方向に、局のアンテナパターンのピークが向くのを避けるため、アマチュア局の場所に注意すべきである。 2 ここでe.i.r.p. はアマチュア局の放射電力を指す。 3 ここで最大電力は、送信機によってアマチュア局のアンテナに供給される、最大包絡線電力または搬送波電力(必要に応じて)のいずれかを意味する。 |
ITU-R M.2513-0:
『Studies regarding the protection of the primary radionavigation-satellite service (space-to-Earth) by the secondary amateur and amateur-satellite services in the frequency band 1 240-1 300 MHz』
https://www.itu.int/pub/R-REP-M.2513
https://www.itu.int/dms_pub/itu-r/opb/rep/R-REP-M.2513-2022-PDF-E.pdf
cf. M.2513-0から,かちあい具合(拡大版はオリジナルの資料をご参照ください):

dBW←→W 換算表
・狭帯域の1296~1300MHz部分 … 最大送信出力(PEPまたは搬送波電力)・それ以外 … EIRP
27dBW | 501W |
26.8dBW | 479W |
24dBW | 251W |
22dBW | 158W |
21dBW | 126W |
17dBW | 50W |
-3dBW | 501mW |
-17dBW | 20mW |
-39dBW | 126μW |
-60dBW | 1μW |
cf.
L2帯の帯域幅
『衛星測位サービス』
https://qzss.go.jp/technical/system/pnt.html
L6帯の帯域幅
『情報通信審議会が「実用準天頂衛星システムの技術的条件」を一部答申』
https://qzss.go.jp/info/archive/soumu_160707.html
“ブロックI・II”
『米国が第3世代GPS衛星の打ち上げに成功』
https://qzss.go.jp/info/archive/gps_190212.html
GPS衛星の世代名:
・ブロックI … 1978~85年に打ち上げ
・ブロックII … 1989年から
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